華金で賑わう街中を横目に家路へ向かう途中ふと思い出した事があった。
日本はマスクマンで溢れている。
目視だが7割、8割近くの人間がマスクをしている。
会社のアメリカ人が「なんで日本はマスクしている人が多いの?」と。

もちろんマスクを付けるには理由があるのだ。
風邪予防、大気汚染等様々な理由がそこにはあるが本来の理由は別にあった。

ドラックストアに行けば一目瞭然なのだがマスクの種類の多さに驚く。

百花繚乱のドラックストア

一昔前まで流行っていたガーゼタイプのマスクはオールドタイプと位置づけられ
顔をしっかりフィットしてくれるプリーツタイプ、フェイスラインに重きを置いて作られた3D立体構造マスク。
その他に香り付き舞マスク、メガネがくもらないように設計されたマスク。
その種類は多種多様だ。
数年前から始まったマスク多様化競争は今後も続いて行くだろう。

マスク装着は風邪予防ではなくなってきた。

特に若い世代に多いのだがいわゆる「だてマスク」の存在だ。
マスクをしていればスッピンで出かけられる。
それだけではない。
マスクをすることによって自己防衛的心理が働きかけ、他人からは自分の全てを見せなくても
自分は他人の全てを見ることが可能になる。
まさにマスクはだてサングラスと対等の立場まで市民権を得てきたのである。

マスク一枚でプラベートは空間を作ることが出来る。

博報堂生活総合研究所の調査によれば下記のように友達の数は少ないほうがいいと考えている若者が多くいることを表している

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マスクを装着しメガネを掛けイヤフォンを付けたら完全に自分の世界の完成である。
人から話しかけられることもなく聞きたくもない言葉もシャットアウト出来る。
外出していながらも自分の部屋の空間に居れている感覚を感じることが出来る。

若者のコミュニケーション能力不足

好きな時に好きな音楽を聴き、好きな時に人間観察できるツールは簡単に手に入る
ニット帽、メガネ、イヤフォン、そしてマスク。これらを手に入れることは難しいことではない。
これらの事例が若者のコミュニケーション能力不足を加速させていると考えている。
コミュニケーション遮断
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日本でのヒット商品の背景には「コミュニケーション遮断」と密接な繋がりがあるように感じられる。




マスクマンが増えた日本社会